世の中、変わるのが速い。目がまるほどだ。ちょっと前まで「Webマーケティング」と言われていたものが、最近では「デジタルマーケティング」と言うそうだ。どんどん新しい概念が流出してくるギョーカイなので、ちょっと知識をバージョンアップしないともうついていけないのが現状だ。ちなみに「Webマーケティング」は、Webサイトに特化したマーケティング手法のこと。一方、デジタルマーケティングは、Webサイトで得られるユーザー行動にプラスして、スマホやタブレットのブラウザや公式アプリの行動履歴、イベントでの反響や店頭への来店データ、販売履歴といったリアルな活動データも分析対象になっていて、リアルな消費者行動をつかもうとする行為だ。
ま、カンタンに言えば、インターネットだけでなくIT技術など「デジタル」を活用したマーケティング手法のことである。ネットが一般的でなかった前世紀のマーケティングは、セールスマンが家庭や企業に個別に訪問して、お客さまと接したときの印象やアンケート調査などをベースにしたマーケティングが主流だったが、「Webマーケティング」の時代になると、サイトへのアクセスの分析や、個人へのメールによるマーケティングが幅を利かせてくるわけだ。そしてやってきた「デジタルマーケティング」の時代、Webやメールに、リアルな店舗での行動をプラスして、ビッグデータやAIなどを活用しながら顧客の嗜好や行動を分析するのである。
と、大風呂敷を広げてみたが、現実的には予算がたっぷりある大企業は別として、ビッグデータやAIを活用したマーケティングは一般的でないだろう。現在のところ「デジタルマーケティング」がどこに落ち着くかと言えば、「オムニチャネル」ということになる。オムニチャネルとは、従来のリアルとWebで分かれていた戦略やサービスを見直して、どのチャネルでも最適なサービスとコミュニケーションを行っていく手法のこと。オムニチャネルでは、マス広告、実店舗の販売データ、インターネット広告やメールでのアプローチ、SNSなどを、包括的に活用したマーケティングなど、デジタルツールをフル活用して顧客との接点を次々とつくっていきます。
つまり消費者がスマホを開いたり、ショップに行ったり、テレビを見たり、街を歩いたりすると、あっちこっちで「これ、いいでしょ?」と企業の宣伝がニンマリ笑いかける仕掛けを作ろうじゃないか、という落とし穴づくりがデジタルマーケティングなのだ。
豆大福(マーケッター)
「売れるWebデザイン」を提唱するアジャの頭脳。
アジャの企業コンセプトである「もっと売れる表現を!」を実現化させるために、
デザインの感性にマーケティング論を融合させる社内随一の論理派。