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信頼性が露と消えるかも。ステマはやっぱり危うい。

ペニオク事件で学ぶステマのこと。

「ステマ」とは、カンタンに言えば昔テキヤさんがやっていた「サクラ」のことだ。いわゆる「やらせ」を、他者に気づかれない隠密行為として「ステルスマーケティング」と呼ぶ。ステルスと言えば、レーダーに探知されない軍事用飛行機を思い出す人もいるかとは思うが、あれも隠密という意味。「ステマ」はステルスマーケティングの略で、消費者に対し、広告だということを隠しながら行う広告のこと。例えば、有名ブロガーが、ある商品について「おススメです☆」といった内容の記事をアップして、あたかも愛用しているかのようなニセ記事を書くのが「ステマ」だ。

2012年に起きたペニーオークション詐欺事件では、有名芸能人が業者からお金を受取って、実際には落札していない商品をあたかも落札したかのようにブログに投稿し、オークションサイトの宣伝をしていたことが大問題となった。

特にモデルやタレントといったインフルエンサーが、自身のブログやインスタグラムを通して企業の商品を宣伝するという手法については、広告効果の高さから企業が取り組みたい気持ちも分かるが、ぺ二オク事件以来「ステマ」は一般的に悪いイメージが定着して、諸刃の剣となっている。

ステマは、優良誤認表示規制に違反する?!

「ステマ」を取り締まる法律は、「景表法」になるだろう。企業が商品やサービスを宣伝・広告するときのルールを定めた法律で、商品やサービスについて、ウソの表現や大げさな表現をできないように広告表現を縛るのが「景表法」だ。「優良誤認表示」「有利誤認表示」と2つの宣伝・広告の方法として「不等な表示」を禁止していてる。

「優良誤認表示」とは、商品やサービスの内容について、実際の物よりも著しく良く見せかけたり、他社の競合サービスよりも著しく良く見せかけるような場合をいう。要するに、大して良くもない商品を「感動的です!本当に素晴らしい!」と紹介して、その質を偽ることを言う。

一方「有利誤認表示」とは、商品やサービスの値段などを著しく有利にみせかけることだ。消費者に「わ、すげぇおトクじゃん!」と思わせておきながら、実際には全然おトクじゃない場合は有利誤認表示になる。

「ステマ」の場合には、商品価格を偽るというよりも、本来は広告なのにそれを隠して、芸能人やタレントがPRする手法だから「内容を偽る」という意味で「優良誤認表示」規制に違反する可能性がある。「事業者がユーザーを装って口コミを投稿したり、ブロガーに報酬を支払って自社の商品を紹介してもらう行為」などは、まさしく集客のために行う商品・サービスについての宣伝なので、「景表法」が定める「不等な表示」に当てはまる可能性が高いだろう。

ステマすると、ディズニーだって謝罪するハメに!

「ステマ」が反感を買う理由を上げるのなら、まずは消費者を騙している点だろう。ステマは口コミや評判を偽装する行為で、一方的な売り手のエゴしかなく、消費者の純粋な判断を鈍らせるので批判を浴びる結果となる。また、業界全体の信頼性を著しく貶め、関連業界や有名人の信頼性を著しく傷つけ、好感度を落としてしまう。現実にペニオク事件に関連した多くの芸能人やタレントがテレビから消えてしまう憂き目にあっている。

最近ではステマハンターのような消費者もいて、TwitterなどのSNSでステマ疑惑がある企業を見つけてきては拡散し、情報が一気に広まるという現象が起こっている。

2019年年末、映画「アナと雪の女王2」の感想を描いた漫画が7本一挙Twitterに投稿され、あまりの不自然さから「もしかしてステマ?」という意見がSNSを賑わせた。ウォルト・ディズニー・ジャパンは「ステマという認識はない」という回答をしていたが、一変してホームページに謝罪文を掲載。「本来クリエーターにPRであることを明記してもらう予定だったが、コミュニケーションが行き届かず、抜け落ちてしまった」と説明した。

「ステマ」を防ぐため、最近では「#PR」「#AD」といった表記により、SNSへの投稿やブログの記事が企業広告であると明記する方法が取られている。安易にステマを薦めるマーケティング会社もあるかとは思うが、バレたときのリスクをよくよく考えた方がいいだろう。

豆大福(マーケッター)

「売れるWebデザイン」を提唱するアジャの頭脳。
アジャの企業コンセプトである「もっと売れる表現を!」を実現化させるために、 デザインの感性にマーケティング論を融合させる社内随一の論理派。

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